2012年10月31日水曜日

『キセキ17』


平成16年の総合文化センター改修工事に携わった
㈱前川建築設計事務所に            
”特製クリンカータイル”についてお話を聞きました。


質問  天神山文化プラザ、ピロティの床タイルの
特徴を教えてください。    

 答え   角を丸く仕上げている点と
                   織目が美しい、綱代張り(あじろばり)
                 という並べ方をしていること
         3種類の色使いが特徴です。




            質問  同年代でクリンカータイルを使用している
        建物を教えてください。


東京文化会館屋上↑(前川建築事務所所蔵)
弘前市民会館↓(前川建築事務所所蔵)


 
     
    答え  東京文化会館の屋上や、弘前市民会館のピロティなどに
同種のタイルが使われています。  

        天神山文化プラザと同じ、             
       9.5cm×19.5cmのタイルを綱代張りにしてあり、  
       文化センターのスタイルは、その後の前川建築の  
       模範になっているのではないかと推測されます。  


質問  当時のエピソードはありますか?     

   答え  他の建物についてですが、            
                 なぜタイルを使用したか大先輩に聞いたところ、      
 本来、自然石を使いたかったのですが、
       高価すぎて使えなかったのだという話を聞きました。

             タイルは難しい形状を特注しても安かったため多用され、
       建物に合った床にするため、大きさ、色、張り方など
色々検討して決めていったそうです。

         現在では、 石を薄く切る技術が進歩し、人件費のかかる
              特注タイルはかえって高価になってしまったとか…。

                平成16年の改修工事では、似たタイルを探してきて、
                職人さんに角を丸く削ってもらった箇所がありました。



タイルを製造した㈱三石耐火煉瓦の方によると      
当時のタイル製造は、てっぽう窯で1週間焼くという
手間のかかるものだったそうです。                
作業員の方は窯出し後も手足がしびれるなど        
大変な思いをしたそうです。                      

当時の技術を駆使し、建物に合ったタイルに      
仕上げていったことなどを知り、       
プロフェッショナルと情熱を感じ心がふるえました。
じーん。




2012年10月25日木曜日

Tenpla gallery ONE

今週のTenpla gallery ONEは、流木アートで活躍する美術家 岡部 玄さんです。


流木アートで『TURTLE ISLANDO』です。
生と死をテーマとしたインパクトのある作品です。
上にのっているのは、実物の海亀の頭蓋骨です。

岡部 玄さんは、現在芸術回廊に出品する巨大流木作品を岡山城で制作中です。

2012年10月16日火曜日

「キセキ16」

今回はピロティの床のお話です。
ピロティの床は、アスファルト防水の上に
炻器(せっき)質タイル(粘土を高温で焼いて作ったタイル)が敷きつめられています。

(前川建築設計事務所所蔵)

(前川建築設計事務所所蔵)

設計書には『特製クリンカータイル』と書かれていました。
ひとつずつ手作業でタイルを敷くのは、
気が遠くなる大変な作業だったでしょうね。


クリンカータイルは、耐久性に富んでおり、
セメントの製造過程でできるクリンカー(焼塊)が
混入された、素朴な味わいのある厚手タイルです。


近くでみるとタイルはこんな感じです。
雨で濡れても滑りにくいように、表面はざらざらしていて
比較的吸水性に優れています。

大きさは、たて9.5cm横19.5cm高さは1,5cmです。

岡山県備前市の三石耐火煉瓦㈱で特別に作られたそうですが、
なぜ特製なのか?
調査結果は次回のブログでお知らせしますのでお楽しみに!




Tenpla gallery ONE

                 今週のTenpla gallery ONEは、


角南育代さんで、絵画「本の国へ行こう」です。

角南さんのつくりだすなんとも可愛い不思議な世界へ
お出かけしてみては、いかがですか。

2012年10月11日木曜日

Tenpla gallery ONE


今週のTenpla gallery ONEは


                   古山コスミさんで「5月10日の光景」です。

平成17年から写真をはじめられ積極的に活動されています。
11月13日(火)~18日(日)天神山文化プラザ第3展示室にて
100人100色展の時に展示されます。





2012年10月3日水曜日

「キセキ15」

石階段を昇ると、模様のような切れ込みありますが、
みなさんお気付きですか?


この切れ込みは、
右側の切れ込みが上に向いてる方は昇りを、
左側の、下に向いてるのは下りを意味しているそうです。        


屋上の手すりには、ルーバーと同じ位置に
切れ込みがあります。


              
階段の切れ込みの影がピロティの床にできて、芸術的ですね。
                  
                                         前川建築設計事務所提供

柱を作る時と同じように杉板を並べてコンクリートを
流しこんでスリット部分が作られています。

切れ込みだけでなく、ルシオ・フォンタナ(1899~1968)イタリアの彫刻家の作品を模した
空調の吹き出しを作ったり、色に拘ったりと
天神山文化プラザの壁は
遊び心満載です。



Tenpla gallery ONE

今週の「Tenpla gallery ONE」は


写真で ソン・ミユ 「WISH」です。
海辺を歩く彼女にメッセージを送った一枚です。
今回は写真のモデルに登場してもらいました。