2013年7月23日火曜日

『キセキ50』 憩える場所 最終話

今回は、天神山文化プラザの中の
憩える場所をご紹介します。


ホール入口から入ってすぐ左に
喫茶コーナーがあります。



ここは、総合文化センター時代には喫茶店でした。
現在は、喫茶コーナーとして
気軽に休憩できるようになっています。

大きな窓より、天神岩あたりの木々が見えて
一番気持ちのよい場所です。
配色に気を遣う前川らしく、壁は赤色です。




ホワイエはこんな感じです。
窓から外の景色が切り取られたように見え
天井まで続く窓をあけると
風が吹き抜けます。



こちらは、2階ロビーです。
ホワイエ同様、天井まで窓が配され
レリーフを見せるとともに
決して大きくない空間に開放感を与えています。



入口側にも天井まで
窓がつくられています。



撮影田比良敏雄 開館当時写真「新建築」掲載

開館当時は何も邪魔するものがないため
レリーフのダイナミックさが伝わってきますね。




ピロティへ続く坂道を登ってくると
天神岩とその森が切り取られた絵のように見え
思わず佇んでしまいたくなります。



(昭和59年撮影)

いくつかの前川建築を訪ねてみると、
建物につくまでに、見え隠れする
打ち込みタイルの壁や
緑の木々など心躍らせる演出がされています。
館内に入ると天井までの大きな窓から
飛び込んでくる外の景色、
開放感を感じるたびに
前川建築の魅力だと思いました。

私が、岡山県庁で働いていた時に
旭川に面した連続の大きな窓をあけると
ベランダが配されていたり、
また、廊下の窓から、吹き抜けを思わす斜路を見ると
『あれ、意外とここ素敵だな』と思う事がありました。

前川國男が設計したという事を知らなくても
そこにいる日々の中で、好きな場所を見つけられるのが
前川建築だと最近気づきました。

撮影 影山日出一

                               撮影 柴田れいこ


振り返ると、『キセキ50』までの道のりは、
前川國男の設計した建物と、
過去・現在その建物に携わっている人達との
大切な出会いがありました。
この建物ブログ『50のキセキ』を長い間
ご覧くださりありがとうございました。

ご協力くださった数々の方に心よりお礼を申しあげます。







2013年7月21日日曜日

『キセキ49』 東京都美術館

『どうしても見ておきたい前川建築第3弾』
今回は東京都美術館(1975年)のお話です。
平成12年4月1日にリニューアルオープンしました。


木々で覆われた東京都美術館


上野恩賜公園には,前川國男設計による
『東京文化会館』と『東京都美術館』があります。

現在の東京都美術館は1926年築の旧美術館の
老朽化に伴い立替えが決定されました。
しかし延床面積を旧館の倍近く
確保する必要があったこと、、
風致地区や公園法による条件のため、
周囲の木々を残すかたちで、
総面積の60%近くを地下に
       設けるかたちとなりました。(東京都美術館HPより引用)



入口に向かうエスプラナード


外壁の打ち込みタイル
取り付けられている照明も素敵です。
埼玉県立歴史と民俗の博物館の
打ち込みタイルより小さく感じます。



東京文化会館にも見られる
星空のような照明は健在です。




建物の角はガラスになっていて、
圧迫感を少なくしています。



帰りは、この道を歩いてみました。
歩きながら中庭を覗いてみたり…
打ち放しタイルの色や大きさを
見て比べたりする楽しみが増す
エスプラナードです。(散歩道)





上野公園に、大濠公園同様、
景観にあったスターバックスを発見!!

東京文化会館、東京都美術など芸術文化を楽しみ
上野公園で木々を眺めて憩える場所として
たくさんの方に愛されています。
今度ゆっくり過ごしてみたいですね。











2013年7月18日木曜日

GO!!GO!!テンコが行く

みなさんこんにちは。テンコです。
今回は、埼玉県立歴史と民俗の博物館の
常設展示やゆめ・体験ひろばなど詳しくご紹介します。





埼玉県立歴史と民俗の博物館は、
第1室~10室まである常設展も
とても楽しめて、見ごたえがあります。


      第1室    旧石器(先土器)~弥生時代 狩りから稲作へ
      第2室    古墳時代 鉄剣は語る
      第3室    奈良~南北朝時代 武蔵武士
      第4室    美術展示室 博物館の中の小さな美術館
                (季節ごとにテーマを変え、さまざまな美の世界を紹介します。)
      第5室    室町~戦国時代 乱世に生きる
      第6室    板碑 武士の心
      第7室    江戸時代Ⅰ 幕府の支配と村のくらし
      第8室    江戸時代Ⅱ 社会の成長とゆらぎ
      第9室    江戸時代 明治時代~現代 激動の時代をこえて
      第10室   民俗展示室 日々を生きる~衣・食・住~

企画展 絵で語る埼玉の民話
~池原昭治・童絵の世界~

平成25年7月20日(土)~9月1日(日)
9:00~17:00
毎週月曜日は休館です。7/21は通常開館
観覧料 一般400円 高校・学生200円
※中学生以下は無料

埼玉県内で語り継がれてきた伝説や昔話を、
『なんが日本昔ばなし』などのアニメーションの
制作者としても知られる池原昭治先生が
描いた童絵(どうえ)で紹介する楽しい企画展です。



ものづくり工房は上記の写真のように
自動販売機で材料を購入して、ボランティアの方に
指導をうけ素敵な作品を作れるそうです。
私も、ぜひ作ってみたいですね 。

この夏は、埼玉県立歴史と民俗の博物館で決まり!!
ぜひお楽しみください。

埼玉県立歴史と民俗の博物館の年間スケジュールはこちらです。
http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=5045

http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=5046

2013年7月13日土曜日

『キセキ48』 埼玉県立歴史と民俗の博物館 3(完)

今回は、埼玉県立歴史と民俗の博物館の
長く大切に使われているものをご紹介します。



前川建築事務所がイスやテーブルの
デザインを担当しています。
応接セットの白い机がとても可愛い。

開館当時から大切に使われているイスです。




こちらの鉄製のカーテンは
使わない部屋を仕切るときに使われています。
東京文化会館にもあります。



(埼玉県立歴史と民俗の博物館写真提供)

ここから、空調がでています。(2階休憩コーナーの壁)

天神山文化プラザの2階ロビーにも
壁に切り込みがあり現在も
空調が出ています。



今回、埼玉県立歴史と民俗の博物館を
『どうしても見ておきたい前川建築』に選んだ理由は、
館内に入る前からはじまる散策路を
自分の足で歩いてみたいと思ったことがきっかけでした。

あいにく訪れたこの日は激しく雨が降っていましたが、
打ち込みタイルの壁に圧倒されながら、
入口のガラスに木々の緑が透けて見える感じに
心が躍りました。
館内にはいると開放感のある大きな窓からみる景色や
置かれてあるイスやテーブル、照明などが
過去に見た前川建築と同じものだったりと
発見する楽しみもありました。

埼玉県立歴史と民俗の博物館の方の説明を聞きながら
エントランス・ロビーの大きな窓に貼られている鳥のシールが
窓の外の景色とあっていて、ちょっとした遊び心に
館のみなさんの建物への愛着を感じました。
また、素晴らしい企画展や常設展などがあり、ぜひ訪れたいと思いました。
次回は、『GO!!GO!!テンコが行く』は埼玉県立歴史と民俗の博物館のお話をします。

2013年7月10日水曜日

『キセキ47』 埼玉県立歴史と民俗の博物館 2

今回は、引き続き埼玉県立歴史と民俗の博物館のお話です。


             
(埼玉県立歴史と民俗の博物館写真提供) 
こちらは、エントランスロビーに配されている
前川國男氏がデザインした照明です。
熊本県立美術館や福岡市美術館にも使われています。




                      (埼玉県立歴史と民俗の博物館写真提供)

受付カウンター周りにある照明。
こちらの吊り下げられている照明も
面白いデザインです。




休憩コーナーの上には
真鍮(しんちゅう)でつくられている照明です。
初めて見る形です。


3期にわけて建物のかたちはそのままに
大改修がされてきたそうですが、
壁の打ち込みタイルも竣工当初の色合いに戻っているそです。
また、器具の外側はそのまま利用し、
器具内部の照明は
時代にあったものにかえられています。

開館当時の姿のまま、時代にあった照明があり
使いやすい施設という事が
人々が憩う上で大切だと思いました。

      






2013年7月6日土曜日

『キセキ46』 埼玉県立歴史と民俗の博物館 1

どうしても見ておきたい前川建築第2弾
今回は埼玉県立歴史と民俗の博物館です。



1971年に埼玉県立博物館として建設され、
岡山美術館(現林原美術館1963年)に始まる
※「一筆書き」のプランニングが大規模な地方博物館として
結実した最初の作品です。


 正面玄関に続く広い散策路がとられています。
建物を通して、その奥にある木々の緑まではっきり見える
大きな窓が、まるでピロティを思わせる構造となっています。

建設時に存在した、木々を残すかたちの設計がされています。
打ち放しコンクリートは杉板の模様がありました。



壁は打ち込みタイル、床は網代張りタイル

建物は地上3階、地下1階建ての鉄筋コンクリート打ち放し
タイル張り構造でエントランス・ロビーを中心に
展示室が東西に配置された構成になっています。


建物手前に見える階段のようなものは
現在は使われてませんが、
舞台のような役割をしていました。






(埼玉県立歴史と民俗の博物館提供)


館内にはいるとエントランス・ロビーの
木々が前面窓ガラス越しに見え
抜群の開放感です。
この日は雨降りにもかかわらず多くの
お客様が訪れていました。



(埼玉県立歴史と民俗の博物館提供)

吹き抜けの廊下部分から見下ろす竹林。
館内を歩いていると、窓からの景色に
思わず足をとめてしまいます。



 
地下に降りる階段、地下部分を囲う手すりの造型は、
                           エントランス・ロビーのアクセントになっています。




(埼玉県立歴史と民俗の博物館提供)

とても開放感のある空間のエントランス・ロビーは
人々が憩うには素敵な場所だと思いました。
私も大ファンのスピッツの『正夢』のPVは
このエントランス・ロビーで撮影されています。


※L型の壁の構成、打込みタイルの外観、中庭を中心として
部屋が連続してゆく配置、床、壁、天井の一体化した構成、
内から外への連続性といった要素。

/埼玉県立歴史と民俗の博物館HPはこちらです。