2016年9月30日金曜日

50キセキ+4 木村産業研究所

弘前市に残る前川國男の8作品のうち、唯一のル・コルビュジェ風の近代建築です。
ヨーロッパの近代建築を日本に持ち込み定着させようとした前川の出発点です。

四角い白い箱のような建物は、随所に前川のこだわりがみられます。


まずは、竣工から10数年後、凍害により取り壊された
バルコニーが2013年、市民の長年の夢が叶い復元されました。
バルコニーより入口を見るとこんなかんじです。



正面玄関に立って吹き抜けの天井を見上げる。
真っ赤な天井に驚いてしまいました。
前川國男氏は最初から色にこだわっていたのですね。





階段を上って踊り場から2階へ
この窓がら外がみえるのは嬉しいです。


この窓のとってもかわいいですね。




この丸くなっている天井に驚きです。


 この床のブルーのモザイクタイルに心ひかれます。



このドアはモデュロールのサイズで作られています。

※モデュロールはル・コルビュジェのが研究した尺度システムの名前。
モデュロールでは基準となる人間の身長は182.9cmです。



木村産業研究所を初めて訪れて、
前川らしく色に拘った赤い天井や床のモザイクタイル、
壁一面の窓や窓のとってなど、
現在の前川建物にも同じようなこだわりがあり
最初からずっとこだわり続けてきたことに
とても感動しました。
雪の中にある白い箱の建物の窓から見える
灯りや赤い天井など、どれだけ街の人たちの
心を明るくしたのではないでしょうか。
ぜひまた訪れたい木村産業研究所です。

前川國男の建物を大切にする会 葛西ひろみ様
たくさんの資料と興味深いお話しをありがとうございました。

廃刊になっていますが、アーハウス出版
「前川國男と弘前」
天神山文化プラザ2階情報センターの本棚に置いてあります。
ぜひ興味のある方は読んでくださいね。

























2016年9月27日火曜日

50のキセキ+3 木村産業研究所


木村産業研究所の2階には、建築家前川國男プチ博物館があります。



これは愛犬をだいて部屋でくつろぐ前川夫妻。

これを作られたのは、札幌の作家さんで畠山美幸さんです。
前川國男氏本人のことをものすごく調べて
ミニチュア人形をつくられたそうです。
とても素敵な作品です。



こちらは、前川國男氏の机です。




この2色えんぴつは赤の部分が多いです。
わかりずらいですが、左上には名刺があります。


このほか模型も展示されています。

木村産業研究所の模型



みなさんもご存じの前川國男氏の自邸もあります。
玄関の表札まであります。

建築家前川國男プチ博物館が2階に2011年4月に
オープンしました。館内には市内にある前川8作品の
パネルや模型が常設されています。





2016年9月25日日曜日

50のキセキ+2 聖地巡礼木村産業研究所

今回念願の!!!弘前にある前川建築を訪ねました。

なぜ弘前が聖地と呼ばれるには、こんなドラマチックな出会いがありました。

前川國男がコルビュジェのもとで学んでフランスから帰国する船上で
弘前出身で駐仏大使館付武官として派遣されていた木村隆三が、
「俺のとこ設計してくれよ」と話しをしたことから、
帰国した2年後、木村隆三の依頼にて、
1932年竣工の「木村産業研究所」は前川國男によって設計された。

以後、青森県立弘前中央高等学校講堂(S29)、
弘前市役所(S33)、弘前市民会館(S39)弘前市民病院(S46)
弘前市立博物館(S51)、弘前市緑の相談所(S55)、
そして、前川が弘前での最後の設計となった弘前市斎場があります。
ゆりかごから墓場まで弘前市民に寄り添うかたちで
前川建築はあるのです。




弘前に行ったらぜひこの方に逢いたいと思っていた
前川國男の建物を大切にする会代表の葛西ひろみさんにお話しを
お聞きすることができました。



白い建物の中にはいると、フレンチブルーの
窓枠が、かわいくフランスを感じられた。
窓枠は、フランスから取り寄せた県内初のスチール製サッシです。
部屋の中に丸い柱がとても印象的です。
写真ではわかりずらいですが、貴賓室の
このような曲線は建築用語でアールといいます。



このとっては、フランスから取り寄せたそうです。
窓枠と同じフレンチブルーです。
すてきですね。


  このドアのノブこんなおしゃれなドアについてます。



真っ白い建物の中に、このガラスのドアがあるだけで
外の景色を感じて息抜きができる気がします。


木村産業研究所の床には、こんなモザイクタイルが張られています。
雪の日に外から入って滑らなくていいでしょうね。



葛西さんが、ここのカーブが素敵でしょうと嬉しそうに教えてくれました。
小さなモザイクタイルをしきつめた床に縁どられた青いタイルに
心をひかれるそうです。


次回も木村産業研究所のお話しです。お楽しみに!!